フリーランスデザイナー必見！選ばれるポートフォリオで高単価案件を掴む

デザイナーとしてキャリアを築いていく上で、あなたの実力と個性を伝える「ポートフォリオ」はまさに生命線です。単なる作品の羅列ではなく、「自分というクリエイター」を市場に売り込むための最も重要なツールと言えるでしょう。今、多くの企業やクライアントは、ポートフォリオの内容次第で「面談の可否」や「提示される条件」を決定しています。

本記事では、フリーランスデザイナーとして“企業に選ばれる”ポートフォリオの作成ノウハウを、最新の視点と具体的な事例を交えて徹底解説します。テンプレートも活用しながら、ぜひキャリアアップや収入アップ、そして理想の案件獲得に活かしてください！

ポートフォリオと職務経歴書の違いがわかる
ポートフォリオの構成と書き方がわかる
企業に選ばれるポートフォリオの秘訣がわかる

ポートフォリオとは？職務経歴書との違いを整理

ポートフォリオとは？

ポートフォリオとは、デザイナーとしての実績、スキル、表現力、思考プロセスを具体的に示すための作品集です。主にデザイン案件に応募する際に、企業やクライアントに提出する“自己PRツール”であり、“作品のプレゼンテーション資料”でもあります。

よく「履歴書は自分の履歴を示す“名刺”のようなもの」と言われますが、ポートフォリオはまさに「あなたのデザインセンスと実力を凝縮した“商品カタログ”」のようなものです。「自分というデザイナーに何ができるのか？」「どのようなテイストのデザインが得意なのか？」を相手が短時間で把握できるよう、魅力的かつ効率的にまとめるのがポートフォリオの役割です。

特にフリーランスや業務委託案件では、履歴書や職務経歴書よりもポートフォリオが重視される傾向にあります。デザインの質や提案力＝案件単価や採用判断に直結するため、ポートフォリオの完成度がそのままキャリアのチャンスを広げるカギとなります。

一般的に、ポートフォリオは次のような構成が効果的です：

プロフィール・自己紹介
制作実績（プロジェクト概要、担当範囲、成果、使用ツール、デザインプロセス）
スキルセット（使用可能ツール、専門分野）
活動理念・得意分野の要約
連絡先・SNSリンク

職務経歴書との違い

職務経歴書は、「どのような会社で、どんな役職・どんな成果を上げたか」をまとめた文書で、主に正社員の採用や転職活動の場面で活用されます。履歴書が“名刺”だとすれば、職務経歴書は“これまでのキャリアのストーリーブック”といったところでしょう。

一方、ポートフォリオは、「現在のスキルで、どのようなデザインを創り出せるのか」「どの案件でどう活躍できるか」を、企業やクライアントが一目で理解できるよう整理する資料です。特にIT系のフリーランス案件やデザイン業務では、採用担当者はポートフォリオを見て「この方なら今のプロジェクトでビジュアル面やUX面で貢献できそうか」を短時間で判断するため、職務経歴書よりも重要視されるケースが多くあります。

いわば、職務経歴書が“これまでのキャリアの紹介”だとすれば、ポートフォリオは“これからこの現場でどう創り出せるのか”を示す「即戦力PRのビジュアルカタログ」のような役割を担います。


項目	ポートフォリオ	職務経歴書
目的	デザインスキル・表現力・思考プロセスを伝える（現場への即戦力アピール）	これまでの職務経歴・業務内容を伝える（採用判断の参考）
主な提出先	フリーランス案件、業務委託案件、デザイン職採用担当	正社員採用時、人事・採用担当
内容の中心	・制作実績の詳細（コンセプト、プロセス、成果）・使用デザインツール・得意なデザイン分野（UI/UX、ブランディング、イラストなど）・デザイン思考や問題解決能力	・所属企業、在籍期間、役職・職務内容、成果、マネジメント経験など
重視されるポイント	実際のデザイン力、提案力、コンセプト理解力、ビジュアルコミュニケーション能力	キャリアの一貫性、安定性、成長性、人物像
位置づけ	「現在のデザインスキルカタログ」	「過去のキャリアストーリー」

なぜデザイナーにポートフォリオが求められるのか

デザイナーの採用や案件選考において、企業やクライアントが最も重視するのは「この案件でどのようなデザインスキルや経験を活かせるのか」という点です。ポートフォリオは、自身のデザイン力や実務経験、制作スタイルなどを具体的に視覚的に整理して伝えることで、「この人なら今回の案件に適している」と判断してもらうための資料になります。特にフリーランス案件や業務委託契約では、学歴や経歴よりも現在のスキルや即戦力としての実力が評価の中心となるため、ポートフォリオの重要性が極めて高まっています。

また、ポートフォリオは中長期的なキャリア形成のための自己整理ツールとしても役立ちます。日々の案件を通じて、自分の強みやスキルの伸びしろを客観的に見つめ直すことができるからです。定期的にポートフォリオを更新することで、市場に対して自分がどのような価値を持つのか、これからどのような案件やスキルアップを目指すべきなのかという方向性も見えやすくなります。

ポートフォリオは、選考の場で自分をアピールするための強力な武器であり、デザイナーとしてのキャリアを築いていくための指針にもなる資料です。

とはいえ、「何を見せればいいのかわからない」「今の作品でどの案件に応募できるのか不安」と感じる方も少なくありません。そんな時は、プロのアドバイスを受けながら、あなたのスキルや経験を棚卸しし、魅力的なポートフォリオ作成を進めることをお勧めします。

デザイナー向けポートフォリオの基本構成と記載項目

ポートフォリオは、読み手である企業やクライアントが「この人はどんなデザインスキルがあり、どのようなアウトプットができそうか」を短時間で把握できることが大切です。以下の構成を意識することで、整理された見やすい作品集を作成できます。

1. プロフィール・自己紹介

氏名（本名または活動名）、年齢、居住地（または最寄駅）、連絡先、最終学歴、職歴（フリーランスとしての活動期間など）。顔写真やプロフィール写真を入れると、より人となりが伝わりやすくなります。

2. 活動理念・得意分野の要約

自己PRは、今出来ることや得意分野を具体的に記載することが大切です。具体例として、**「どんなデザインが得意か（UI/UX、Web、グラフィック、ブランディングなど）」「使用可能なデザインツールやソフト」「これまでの制作で特に評価された点」**などを積極的にPRしましょう。次に、自身の人間性に関するPRも記載しましょう。例えば「クライアントとの丁寧なコミュニケーションを通じて、潜在的なニーズを引き出すのが得意」など、デザインプロセスにおける強みを記載することで、自分がなぜフリーランスデザイナーとして魅力的なのかを伝えることができます。最後に今後のビジョンを記入し、自分の意欲をアピールしましょう。将来のビジョンや目標を明確にし、それを実現するために行動していく姿勢は良い印象を与え、ビジョンと案件内容が紐づいていれば、企業様にとっても自分にとってもより良い結果となるでしょう。

自己PRは適当に書いてる方が多い印象を受けますが、自分をアピールできる、作品と同じくらい大切な項目です。記載内容の分量としては、全体を5～6行くらいでまとめ、デザイナーとしての経験を1～2行、現場での評価や人間性を2～3行で記載すればバランスが良いでしょう。

今出来ることや得意分野を具体的に記載する
自身の人間性やデザインプロセスにおける強みに関するPRも記載する
今後のビジョンを記入し、案件に対する自分の意欲をアピールする

3. 制作実績

これまでのプロジェクト内容や担当範囲、成果を記載します。単なる最終成果物の羅列ではなく、制作に至った背景、コンセプト、デザインプロセス、課題解決へのアプローチ、そして最終的な成果を具体的に示しましょう。数字や定量的な成果（例：UI改善でCV率○%向上、Webサイト訪問者数○倍など）を加えると説得力が増します。

各プロジェクトで記載すべき項目：

プロジェクト名・概要: どんなプロジェクトだったか、簡潔に。
期間: 制作に要した期間。
担当範囲: あなたがプロジェクト内で担当した具体的な業務（例：UI設計、UXリサーチ、グラフィック制作、ワイヤーフレーム作成、ロゴデザインなど）。チームで制作した場合は、自身の貢献度を明確に。
使用ツール: そのプロジェクトで使用したデザインツール（例：Figma, Adobe XD, Photoshop, Illustrator, Sketchなど）。
コンセプト・課題: 何を解決するためのデザインだったのか、どのようなコンセプトで制作したのか。
デザインプロセス: アイデア出しから最終アウトプットまでのプロセスを可視化（例：リサーチ→ワイヤーフレーム→モックアップ→テスト→実装監修など）。思考の過程を見せることで、あなたの問題解決能力をアピールできます。
成果・効果: 制作物がもたらした具体的な成果や、クライアントからの評価など。
工夫点・学び: 制作で特に工夫した点や、そこから得られた学びを記載することで、今後の成長性を示します。
実績画像の添付: 最終成果物のスクリーンショット、モックアップ、動画など、視覚的に分かりやすく表現しましょう。

4. スキルセット（使用可能ツール、専門分野）

自分が実際に習得しているデザインスキルを正確に記載しましょう。使用可能なデザインツールやソフトウェア（Adobe Creative Suite全般、Figma、Sketch、Blenderなど）、専門分野（UI/UXデザイン、Webデザイン、ブランディング、DTP、イラストレーション、動画編集など）を明確に伝えます。

自身のレベルを明確に伝えるために、各ツールやスキルに対して**「実務経験〇年」「得意」「日常的に使用」「学習中」**などの評価レベルを記載するとよいでしょう。また、コミュニケーションツール（Slack/Chatwork等）なども記載すると、相手に対しより詳細なスキルが伝わります。

一目でわかる具体的な記載項目例（見出し例＋内容例）


項目	見出し例	内容例
プロフィール	氏名／活動拠点／連絡先	山田太郎（やまだたろう）東京都目黒区メール：xxxxx@example.comWeb：[あなたのWebサイトURL]
活動理念・得意分野の要約	専門領域／デザインへの想い／強み	UI/UXデザインとブランディングを軸に、ユーザー体験と事業成長に貢献するデザインを得意としています。データに基づいた論理的思考と、細部にまでこだわるクリエイティブな表現力で、クライアントの課題解決に尽力します。
制作実績例	プロジェクト名／担当範囲／成果	プロジェクト例：「SaaS向けダッシュボードUI/UX改善」期間： 2024年4月〜2024年7月担当：ユーザーリサーチ、情報設計、ワイヤーフレーム作成、UIデザイン、プロトタイプ制作、ユーザーテスト監修使用ツール： Figma, FigJam, Miro コンセプト：「直感的で効率的なデータ管理」プロセス：既存UIの課題特定（ヒートマップ分析）→ユーザーインタビュー→IA設計→ワイヤーフレーム→プロトタイプ（複数パターン）→A/Bテスト成果：管理画面利用率20%向上、ユーザーの操作ミス30%削減工夫点：複雑なデータも一目で理解できるよう、情報の優先順位付けと色使いに工夫を凝らしました。
スキル（評価レベル）	使用可能ツール／専門分野	デザインツール Figma：A（5年以上、UI/UX設計、プロトタイプ） Adobe Photoshop：B（8年以上、写真加工、合成） Adobe Illustrator：A（8年以上、ロゴ、イラスト） Adobe XD：C（2年、Webサイトプロトタイプ）専門分野 UI/UXデザイン：上級Webデザイン：上級ブランディング：中級グラフィックデザイン：中級

“選ばれる”ポートフォリオの書き方

企業・案件側が見ているポイントとは？企業やクライアントがポートフォリオを見る際、最も重視するのは「この案件にフィットするデザイナーかどうか」「具体的な成果を出せるデザイナーかどうか」という観点です。そのため、以下のポイントを意識して記載することが重要です：

ポートフォリオ全体

わかりやすい構成と文章かどうかが大切: 視覚的に魅力的なだけでなく、説明文も簡潔で理解しやすいか。
作品を見ればやってきたことが1発でわかるようにする: 画像やレイアウトで、あなたのスキルが直感的に伝わるように。
誤字脱字などのミスがない: クリエイティブな仕事だからこそ、細部への配慮が見られます。

作品の要約（各プロジェクト）

制作に至る「背景」「課題」「コンセプト」が明確に記載されている: なぜそのデザインが必要だったのかを伝えることで、あなたの思考プロセスをアピール。
「デザインプロセス」が可視化されている: 最終成果物だけでなく、どのようにアイデアを形にしたかが見えることで、問題解決能力が伝わる。
「成果」や「効果」が具体的に記載されている: 例えば、「UI改善によりCVRがXX%向上」「Webサイトの滞在時間がYY秒増加」など、数字で示すと説得力が増します。

よくあるNG例

逆に、企業側の評価が下がってしまうNGパターンもあります。

情報量が多すぎて読みづらい: 長すぎる説明文や、一目で内容が把握できない構成。
作品の背景や自身の貢献が不明確: 何のために制作し、どう貢献したのかが読み取れない。
スキルレベルの記載が曖昧: 「経験あり」のみで深さがわからない。具体的にどの程度のレベルなのかを明示。
成果の数字がなく、抽象的な表現が多い: 「改善に貢献」など曖昧な言い回しのみで、効果がイメージしづらい。
単純な作品の羅列になっている: 作品ごとの制作意図や課題解決へのアプローチが不足している。
著作権や秘密保持に配慮されていない: クライアントワークの場合、公開範囲に注意。必要に応じて「架空のプロジェクト」として再構成する。

採用担当の目に止まるコツ

採用担当に「この人と面談してみたい」と思わせるには、次の工夫が効果的です。

冒頭に「得意領域」や「デザインの特徴」を簡潔にまとめる: どんな案件にフィットする人物かがすぐ伝わる。
プロジェクト経歴に「結果」や「効果」を数字で明記する: 実際の成果を具体的に見せる。
表やレイアウトを工夫し、視認性を高める: パッと見て読みやすいデザインに整える。
最新のデザイン動向や学習状況も積極的にアピール: 新しい技術やトレンドへのキャッチアップ姿勢を見せる。
自身の「デザイン思考」や「問題解決能力」を示す: 単に美しいものを作るだけでなく、なぜそのデザインに至ったのか、どのような課題を解決したのかを言語化する。

ポートフォリオ作成ステップ（初心者向け・チェックリスト形式）

はじめてポートフォリオを作成する方にとっては、「何から手をつければよいのか？」で迷ってしまうことでしょう。そんな方のために、実際の作成手順を4つのステップに分けてご紹介します。

STEP① これまでの経験・スキルの棚卸し

まずは、自分がこれまでに「どんなスキルや経験を積んできたか」をしっかり棚卸ししましょう。

使用したデザインツール・ソフトウェア
担当したフェーズ（企画／デザイン／実装監修／テストなど）
プロジェクトの規模・内容
業界経験（Webサイト、アプリUI、DTP、ブランディングなど）

例）

「クライアント向けWebサイトのUI/UXデザイン（企画から実装監修まで一貫担当）」
「スタートアップ企業のブランディング一式（ロゴ、ガイドライン、名刺デザイン）」

STEP② 強み・得意分野を整理する

単に「やったことの羅列」ではなく、「自分の強み」を意識的に整理します。企業側は“この人は何が得意なのか”を知りたいのです。

どの分野・デザイン手法が得意か
どんな貢献ができるか
過去のプロジェクトで特に評価されたこと

例）

「複雑な情報を分かりやすく整理し、直感的なUIに落とし込む情報設計に強みがある」
「イラストレーションとUIデザインを組み合わせ、独自の世界観を創り出す」

STEP③ 案件やターゲットに合わせて整える

作成したポートフォリオは“応募する案件”に合わせて微調整することも大切です。

案件の募集要件にマッチするスキルや作品を目立たせる
強調すべきキーワードや経験を先に持ってくる
求められていない古い作品や、関連性の低いデザインは必要に応じて簡略化または削除する

例）

「WebサイトUI/UXデザイン案件 → WebサイトやアプリUIの制作実績を冒頭で強調し、プロセスを詳述」
「グラフィックデザイン案件 → ロゴ、ポスター、DTPなどグラフィック系の作品を前面に出す」

STEP④ 誤字脱字・レイアウトを最終チェック

最後に、読みやすさやケアレスミスがないかをしっかり確認します。

誤字脱字のチェック
フォントや段落の整え方（統一感）
余白・改行・見出しの使い方で視認性UP
無意味に長すぎないか（10〜20作品程度、またはWebサイト形式でアクセスしやすい量に）

例）

「見出しがバラバラ → 統一」
「箇条書きのマークが混在 → 統一」
「冗長な表現 → 簡潔に」

ポートフォリオ作成をもっと簡単にする便利ツール

ここまでご紹介したステップを参考にすれば、ポートフォリオは自作ももちろん可能です。ですが、「何から書けばいいのか分からない」「フォーマット作成に時間がかかりそう」と感じる方も少なくありません。

そんな方に便利なのが、ポートフォリオ作成を支援するWebサービスやテンプレートです。用意された入力項目に沿って埋めていくだけで、見やすいポートフォリオが作成できるものもあります。

ポートフォリオサービス: Behance, Dribbble のようなプラットフォームで作品を公開し、ポートフォリオとして活用できます。
Webサイトビルダー: STUDIO, Wix, Squarespace などを使えば、プログラミング知識なしで魅力的なポートフォリオサイトを構築できます。
Google Slides / Notion テンプレート: 本記事で提供したようなテンプレートを活用し、内容を書き換えるだけで手軽に作成できます。

ポートフォリオ作成は一度やって終わりではなく、磨き込みと更新が大切です。「これで大丈夫だろうか？」「もっと良い見せ方があるかも？」と迷った時は、プロの視点を取り入れるのも効果的です。