『SEO:Search Engine Optimization』という言葉が誕生してからかれこれ20年以上が経過しました。SEOと聞いて真っ先に連想されるのはIT企業の巨頭Googleです。
Google検索の場合、Googleがどのように検索結果を最適化しているかと言うと、全てエンジニアリングで日々改善されています。
日々膨大なデータを処理し、「ページへの滞在時間」「ページのスクロール量」「Chrome(ブラウザ)から抽出したデータ」など、最適化にするルールは諸説あります。
結論から言えることは「ユーザーにとって有益な情報が提供されているかどうか」は検索結果のランキングにも大きな影響を及ぼしています。
ユーザーにとってなによりも重要なことは「知りたい、探している情報があるかないか?」がすぐにわかることです。
歴史をたどるとこの20年間でGoogle検索のアルゴリズム(プログラムの仕様)は大きく生まれ変わりました。
SEO(検索エンジン最適化)とは
SEOは、Search Engine Optimizationの略で『検索エンジン最適化』と言います。
検索エンジン最適化とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果に自分のサイトを表示するためにホームページを最適化する手法のことです。
現状、日本国内でGoogle検索を利用するユーザーは、検索数全体の70%を占めており、自社のサイトやコンテンツをより多くのユーザーに見てもらうには、SEO対策をする必要があります。
また、Yahoo検索においては全体の20%ほどですが、Googleの検索システム(ウェブ検索、画像検索、動画検索)を採用していますので、Googleのシェアは実質全体の90%を占めていることになります。
SEO対策のコンサルティングを請負うSEO事業者も年々増えてきています。
SEOとリスティング広告の違い
上図のようにGoogle検索で特定のキーワードを検索すると広告が出てくると思いますが、これは『リスティング広告』と呼ばれます。
企業が自社サイトやコンテンツにユーザーを集客するために、Googleへ広告枠を支払い、該当のキーワードで検索したユーザーに対して、優先的に宣伝すると言った手法もあります。
その広告の下に表示されるのが、 検索エンジンに最適化されたサイトやコンテンツが出てくるということになります。
検索結果に表示されるまでの仕組み:3ステップ
検索エンジンが検索結果に表示される仕組みとしては、以下のフローを経て表示されます。
- クローリング
- インデックス
- アルゴリズム
- クローリング:インターネット上のWebサイトの情報を取得
検索エンジンは、Webサイトの情報を収集するために専用のクローラーと呼ばれる情報収集ロボットを使って、Webサイトを『クローリング』しています。クローリングした情報を独自のデータベースに蓄積し、検索結果に反映しています。
サイトがクローリング出来ない状態になっている社内専用サイトや会員制サイトは、クローラーが入り込むことが出来ないため検索結果には表示されません。
また、クローラーはページの有無だけではなく、文字情報・サイト構成・リンクの有無・ページ表示速度など、Webサイトに関する情報を収集しています。これは、そのページがユーザーにとって有益なページなのかを判断するために、様々な情報が必要だからです。
例えば、表示速度の遅いページはユーザーにとってストレスが掛かるので、Googleはそのサイトを高く評価しません。また、検索キーワードと内容が違うサイトも、アクセスしたユーザーに不快感を与えます。一方、多くの人から支持を受けているサイトはコンテンツの内容も充実しています。
- インデックス:クローラーが収集したデータをデータベースに収集
クローラーが収集したデータを、データベースに保管する作業が『インデックス』です。
インデックスした情報を、ユーザーが検索キーワードを打ち込んだときに、データベースから探し出してきて表示しています。
- ランキング:インデックスした情報をアルゴリズムに基づいて評価
インデックスした情報を、ユーザーが求めているであろうWebサイトを総合評価をして、ランク付けするのが『ランキング』です。
その評価の仕組みのことを『アルゴリズム』と言います。Google検索のアルゴリズムは200個程度の項目で構成されていると言われ、日々アップデートされています。
Googleが公言していることは、ユーザーにとって役立つコンテンツを常に上位表示しているとのことです。
消費者行動について
消費者行動に革命をもたらしたとされる『検索サービス』。
能動的に検索しているユーザーに対して、検索キーワード(クエリとも呼びます)を元にアプローチする手法は、極めて効果的な手法とされています。
Googleは、消費者行動モデル『ZMOT』で、消費者の購入意志決定プロセスがデジタル化している事を2010年に提唱しています。
SEOの歴史
では、簡単に20年ほどのSEOの歴史をまとめてみました。
- ~1998年:MetaタグやHTML最適化、キーワードの比率調整のみで掲載順位が決定されていた時代
- ~2000年:内部スパムが落ち着き、外部リンクでの評価が始まったが、検索エンジンの精度がまだ低く外部スパムが横行した時代
- 2004年:Yahoo!が独自の検索エンジンを開発し、運用を開始
- 2006年:外部リンクの数(外部のサイトにどれだけリンクが貼られているか)で SEOがまかり通っていた時代
- 2010年:Yahoo!がGoogleの検索エンジンを採用し、日本国内でもGoogle検索が台頭する
- 2012年:コンテンツSEOと呼ばれる、キーワードを重視したサイトやコンテンツが多くなる
- 2013年:Google社がYahoo辞書のノウハウで検索エンジンの精度が向上する。(日本語の認識精度があがる。)それに伴い、外部リンクの取締が強化され、外部リンクの数に加え質が重要視され始める
- 2015年:モバイルファーストと呼ばれる、スマホにも適したコンテンツやデザインに最適化してあるサイトが台頭してくる
- 2017年~:機械学習やAIといった技術がアルゴリズムに大きく影響を与える。より健全かつ公平な仕様にアップデート。
このようにして見ると20年の歳月を経て、Google検索のシステムが大きく変化を遂げたことが分かりますね。
基本的なSEOの仕組み
Googleの評価基準
検索エンジンの順位は、Googleの評価基準によって変動しています。Google独自の品質評価ガイドラインがあり、順位を上げるにはそのガイドラインに乗っ取ってサイトやコンテンツを制作する必要があります。
- コンテンツが充実しているか
- サイトテーマが明確か
- ユーザーが利用しやすいか
- 他のサイトから指示されているか
目的があって訪れたのにサイト内で目的を達成できないサイトや、一見高品質に見えても他のサイトから盗んできたコンテンツを掲載しているサイトは、低品質サイトとして評価されません。
また、コンテンツの量が少ない。コンテンツが全くない。管理者の情報がなく、連絡を取ろうと思っても連絡先さえ表示されていないサイトも同様に評価されません。
つまり、該当のキーワードで検索して出てくる上位のコンテンツやサイトは、Googleからの評価も高く、コンテンツも高品質で、市場調査がしっかりされているということです。
ユーザーの検索行動に対して、自サイトのコンテンツへユーザーを導く一連のプロセスが SEOであるといえます。
- マーケティング:ユーザーの検索意図(検索キーワード)を考慮
- コンテンツ:ユーザーのニーズに答えるコンテンツを作り
- システム:サイトのテーマを検索エンジンに対して的確に伝える
Google検索におけるキーワードの重要性
該当のキーワードで1位に表示したい!と考える、企業のマーケティング担当や個人事業主の方は、自社サイトやコンテンツのSEOを強化をされたい方が多いと思います。
目的はそれぞれ違うと思いますが、SEO対策が成功し、目的のキーワードで上位表示されても最終目的である「ウェブサイトのアクセスアップ」や「成果(コンバージョン)」に結びつかなければマーケティングとしては意味がありません。SEO対策を行う上でもっとも重要となるのが”キーワード選定”です。
本サイトもキーワードを重視し、コンテンツを作成して、より多くのユーザーに見てもらえる工夫を施しています。
ニーズの高いキーワード選定
上位表示された時に効果(ここでは費用対効果)が高いキーワードとはどのようなキーワードでしょうか。
キーワード探しは、ユーザー視点で考える事が重要です。ユーザーは、ニーズが高くなればなるほど、ピンポイント検索を行う様になり、検索語句でユーザーのニーズ(要求)の強さが分かります。
ニーズが強いほど、ピンポイントに情報(商品)を検索するので、1語より2語、3語の複合キーワードで検索される傾向にあり、今後インターネットを使うユーザーのスキル向上によってこの傾向はさらに高まっていくと予測されます。
ありきたりなコンテンツではユーザーも飽きしまうので、そのサイトだから見たい!と思えるようなコンテンツにしなければいけません。
ロングテールキーワード
ロングテールキーワードと言う言葉にもふれておきます。ロングテール理論は、2004年10月に米WIRED誌の編集長だったクリス・アンダーソンによって提唱された理論です。
検索数の多いビックキーワード(月間10万以上検索されるキーワード)は、上位表示されれば多くの集客を見込めますが、逆にSEO対策を行うライバルが多く、上位表示をさせるのは至難の技と言えます。
そのため、ビックキーワードを狙うよりも、検索数の少ないロングテールの複合キーワード群を狙った方が順位を上げやすく、また1つのキーワードを狙うよりも、 幅広い検索キーワードで数多くサイトに誘導した方が、結果的にアクセスは上回ることができるとされています。
SEOでよく聞く内部対策と外部対策について
それでは本題でもありますが、SEO対策はどのようなことをすることか説明します。
SEO対策には大きく分けて2つあり、先ほどのキーワード対策も含まれますが、『内部対策』『外部対策』というものがあります。本項では概略のみ説明します。
基本的な内部対策
内部対策の基本は、HTMLタグの最適化です。中でも『T・D・H』と呼ばれる『title』『meta description』『h1』の3つのタグは、サイトの基本情報を示すタグです。この内部対策は最適な状態にしなければいけません。
- title:titleタグは「ページの主題」です。以下のように、検索結果やブラウザのタイトルバーに表示されます。
- meta description:meta descriptionは検索エンジン向けの「ページの概要説明文」になります。以下のように検索結果に表示されます。
- h1:h1は「大見出し」となります。本項のタイトルに該当します。通常、1ページに設定できるh1タグは1つのみで、検索順位に強く影響する要素です。
titleタグは、Webページの名称を表すもっとも重要なタグとさています。検索対象としたいキーワードをタイトルの先頭に配置し、このページがどんな情報を提供しているのかを検索エンジンにアピールします。
一言で言えば、検索上位にあげたい該当のキーワードをtitleに必ず入れることです。ほとんどのサイトはtitle=h1の構成になっていますので、h1タグ内にキーワードを入れるのがポイントです!
基本的な外部対策
検索エンジンで上位表示されるには、サイト内部の内容や構造も大事ですが、そのサイトへと張られているリンク(外部被リンク)も重要です。
被リンクが多いサイトということは、それだけ多くの人に支持されているということになり、ユーザーの求める情報や魅力的なコンテンツが多く存在するだろうとGoogleは判断します。
これを『リンクポピュラリティ』と呼んでいます。サイトの人気投票のようなイメージです。
ただし、外部被リンクの数が多いだけでもなかなか上位表示にはつながりません。Googleは数だけではなく、外部被リンクに関する様々な項目を見て、検索順位を決定しているためです。
SEOに置ける外部被リンクの重要項目
- 信頼性(オーソリティ)の高いページからの被リンクを得ている
- 発リンク数が少ないサイトからのリンクされている
- アンカーテキストに上位表示させたいキーワードが入っている
- いろんなキーワードでアンカーテキストが張られている
- サイトの重要な場所から被リンクが張られている
まとめ
- SEOは、Search Engine Optimizationの略で『検索エンジン最適化』と言われる
- 日本国内では、Google検索のシェアは全体の90%を占める
- Google独自の品質評価ガイドラインがあり、順位を上げるにはそのガイドラインに乗っ取ってサイトやコンテンツを制作する必要が
- 評価をあげるにはキーワードが重要
- ニーズが高いキーワードやロングテールキーワードなど戦略的にキーワードを選ぶ必要がある
- 内部対策の基本は、T・D・Hと呼ばれる『title』『meta description』『h1』3つのタグを最適化すること
- 外部対策の基本は、影響力のある外部のサイトからリンクを貼ってもらえるようにコンテンツやサイトを考えること
SEOについて仕組みから歴史の振り返り、SEO対策について紹介しました。世界中から集まった優秀なエンジニアによって作られているGoogleの検索エンジン。この20年間で大きな進歩を遂げたわけですが、今もなお検索エンジンは日々進化し続けています。
SEOは広範な知識やスキルが必要とされるため、日々のインプットとアウトプットが現場では求められます。
本稿だけでなく書店で売られているSEOに関する書籍を読まれることをオススメします!