確定申告のアレコレ図解特集!

老後の年金でもらえる受取額ってどれくらい?支払っている年金の保険料から分かるって本当!?

日本には公的年金制度というものがあります。20歳以上の人は、原則として毎月決まった保険料を支払わなくてはなりません。

高齢者の生活を支える公的年金ですが、毎月払っている年金についてその仕組みを理解していますか?

特に会社に勤めている人の場合、年金は給与天引きで支払っているため、具体的な仕組みを理解していないまま納付している人も多いかもしれません。

ここ最近、老後の老齢年金だけでは赤字になるため、厚生年金の場合でも2,000万円の貯金が必要だというニュースが話題になりました。若いうちから、しっかりと老後までの収入・貯金計画を立てなければいけない時代です。

老後の人生設計を考えるためには、まずは年金制度を理解しておく必要があります。

人生100年時代と言われいる長い旅路で、知って得する年金の基本的な知識や種類、受給条件などをおさらいしていきましょう。

公的年金の仕組みと基本的な知識!実は年金は2種類存在した!?

まずは公的年制度の基本的な知識のおさらいと、公的年金が必要な理由について確認していきましょう。

公的年金の仕組み

日本の公的年金制度は、20〜60歳の現役時代が納めた保険料によって、高齢者世代やなどを支える社会保障です。年金と聞くと受給資格を満たした65歳以上の人が受け取ることができる、老齢年金をイメージしがちですが、世帯の中で稼ぎ頭だった人が亡くなった時に家族が受け取る遺族年金や、障害を負った時に受給できる障害年金も含まれます。

公的年金制度は、日本以外にも多くの国に存在します。年金制度は『賦課方式』と『積立方式』の2つに分類できます。

賦課方式は、現役世代が納めたものを、今の高齢者の年金の財源に使い、世代間で支え合う仕組みです。経済変動の影響を受けにくい点がメリットですが、人口減少により、少ない現役時代が大勢の高齢者を支える時代になると苦しくなるデメリットがあります。日本ではこの賦課方式を選択していますので、少子高齢化による年金への問題があります。

一方で、積立方式では、将来年金を受給するために必要な財源を、現役世代が自分たちで積み立ていく仕組みです。積立方式は、貯めたものを自分たちで使う仕組みなので、若い時にたくさん支払ったのに老後に少額しかもらえない、という事態が起こりません。一方で、納めてから受給するまでにタイムラグがあるため、経済変動の影響を受けやすい点はデメリットです。

公的年金はなぜ必要なのか

高齢になり働けなくなった、また一家の働き手が亡くなってしまった、何らかの理由で障害をおってしまったなどで、収入が減り、生活が一変してしまうことがあります。

収入を得ることができなくなってしまったとき、周囲に助けてくれる人がいる人や、多額の貯金がある人ばかりではありません。生活が行き詰まってしまう人も出てしまいます。

こうした事態に陥ったときに、国民が安心して生活ができるように生まれたのが公的年金です。

日本の公的年金制度は、老齢年金の場合には年金を120カ月(10年間)収めると老後に年金を受け取ることが可能になります。(令和元年時点)

国民年金と厚生年金の違い!

公的年金は、ご存知の通り、国民年金と厚生年金の大きく2種類に分類することができます。国民年金と厚生年金、それぞれの特徴と違いについてご存知ですか? 

「基礎年金」と呼ばれる国民年金

国民年金は、原則として20~60歳の国民が全員加入する保険です。そのため、「基礎年金」とも呼ばれています。

国民年金保険料のみを納付する人は第一号被保険者とよばれます。第1号被保険者には、自営業者や20歳以上の学生が該当します。給与天引きの厚生年金と異なり、保険料は口座引き落としや金融機関の窓口で自分で納めなくてはいけません。

また、国民年金の保険料は定額で、令和元年時点の場合は月額16,340円です。将来受給できる額は加入期間に応じて決まります。そのため、短期間しか納めていない場合には、その額に比例して受給額も少なくなります。

2階部分の厚生年金

厚生年金は、国民年金に上乗せされて給付される年金です。よく日本の公的年金は”2階建て”だと言われますが、厚生年金が国民年金に上乗せされている形のために、2階建てと呼ばれているのです。(企業年金を入れて3階建てと呼ぶこともあります。)

厚生年金に加入する第2号被保険者の中には、国民年金を支払っていないと思っている人も多いのですが、実際には国民年金と厚生年金の2つを毎月支払っています。

第2号被保険者には、会社員や公務員が該当します。保険料はボーナスと標準報酬月額(毎年4~6月の給与をベースにしたもの)を基準に保険料が算出されます。厚生年金部分の保険料の支払いは、事業主と被保険者が50%ずつとなり、半分は所属している会社が支払っています。

納付は、基本的に国民年金部分と併せて給与天引きで行います。

公的年金の種類や受給条件!知って得する年金制度

公的年金制度で受給ができる年金には、老齢年金、障害年金、遺族年金の3種類があります。それぞれの特徴や受給条件を理解しておきましょう。 

老齢年金

年金と聞いて多くの人が最初に思い浮かべるのが老齢年金でしょう。

20歳から60歳までの間で、10年以上保険料を納めた人が、65歳になると老齢年金を受給できるようになります。以前は25年以上保険料を納めていないと受給ができませんでしたが、平成29年に改正され10年以上となり受け取ることができる人が増えました。

しかし、気をつけなければならないのが、10年だけ保険料を納めていた場合、1年に受け取ることができる老齢年金の額は、約20万円弱と少額となってしまう点です。この金額では生活することが厳しいですよね。

もし、過去に保険料を納めていない期間がある場合には、未払い分を遡って納めることもできますので、年金事務所に問い合わせをしてみましょう。

障害年金

障害年金は、働くことに影響が出るような病気やケガを負ってしまった場合に受給できる年金です。障害年金は、60歳以下の現役世代でも受け取ることができます。 

障害年金を受給する際の条件は、以下の3点です。

  1. 障害認定基準を上回る障害状態であること
  2. 保険料を一定期間未納にしていないこと
  3. 障害認定日が到来していること

障害認定基準を上回る障害状態であれば、就労していても障害年金を受け取ることが可能です。また、老齢年金のように保険料を納めた期間はあまり問われません。3つ目の障害認定日とは、初診から1年6か月経過をした日です。これらの要件を満たせば、障害年金を受給できるようになります。

障害年金にも、「障害基礎年金」 と「障害厚生年金」があります。初診日に第1号や第3号被保険者だった場合には、障害基礎年金、第2号被保険者だった場合には、障害基礎年金と障害厚生年金の両方の受給が可能です。 

遺族年金

遺族年金は、年金の被保険者が亡くなった場合に、生計を共にしていた家族が受け取ることができる年金です。遺族年金は亡くなった被保険者が25年以上年金に加入していた場合に、受給することができます。

遺族年金は、被保険者が国民年金に加入していた場合は遺族基礎年金、厚生年金の場合には、遺族厚生年金が支給されます。

遺族基礎年金の場合、子を持つ配偶者および子(18歳まで)に遺族年金が支給されます。子供がいない配偶者は受給することができません。

遺族厚生年金は、亡くなった人と生計を共にしていた配偶者、子(18歳まで)、孫、55歳以上の父母や祖父母に対して支給されます。

配偶者は、30歳未満の妻の場合は5年間の条件つき、夫の場合は55歳以上である事が受給の条件です。 

自分の年金情報を確認できる『ねんきん定期便』!将来もらえる年金について知ろう

これまでの自分の年金保険料の払い込み実績や、将来受給できる年金の見込額を知りたいときには、ねんきん定期便をチェックすると良いでしょう。 

誕生月に届くねんきん定期便

ねんきん定期便とは、年金制度に加入している全ての人に届く通知書です。日本年金機構が管轄しており、毎年一度、誕生月に届きます。 

50歳未満の人に届くねんきん定期便は、これまでの年金の支払い実績に応じた将来の受給見込額が記載されています。

一方で、年金の支払いが残り10年となった50歳以上の人に届くねんきん定期便には、満期の60歳まで保険料を支払った場合に受け取ることができる、想定年金額が記載されています。

ねんきん定期便が届いたら、年金の見込額や自分の年金加入期間を確認しましょう。

自分がいくら保険料を払っていて、将来にどれくらい受け取ることができるかを、1年に1度ねんきん定期便で確認する習慣をつけておけば、長い目で見て老後の資金計画を立てることができます。 

年金に関するよくあるQ&A

学生時代に国民年金の納付通知書が届いたことがありました。厚生年金とは別なんですか?

公的年金は『2階建て』とも呼ばれ、国民年金は20歳以上の人全てが対象で、「基礎年金」と呼ばれます。国民年金保険料を納めるのは20歳から60歳までです。

ほとんどの人が対象者である公的年金は何歳からもらえるのですか?

原則は65歳で、前倒しで60歳からもらえますが、月当たりの年金額が最大3割減ります。先送りも可能で、70歳で受け取り始めると月当たりの年金額は42%増えます。生涯でもらえる年金の総額が受け取りを始めた時期で変わらないようにするためです。

少子高齢化がもっと進んでいますよね。今みたいな仕組みで年金をもらえるのでしょうか?

厚労省の試算では、1945年生まれで厚生年金に加入していた人は保険料負担1000万円に対し、もらえる年金額が5200万円で保険料の5.2倍です。
一方、1990年生まれの人は3200万円の保険料に対し、年金額は7400万円。保険料の2.3倍にとどまります。
つまり、現在の受給者と将来の受給者の間の格差が広がっているのです。

20~30代は将来年金がもらえるか分からない…。どう備えれば良いですか?

公的年金は将来、もらえないわけではないですが先細りは避けられません。人生100年時代には少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(イデコ)など私的年金がより重要になります。

まとめ

  • 年金制度は『賦課方式』と『積立方式』の2つに分類できる
  • 賦課方式は、現役世代が納めたものを、今の高齢者の年金の財源に使い、世代間で支え合う仕組み
  • 積立方式では、将来年金を受給するために必要な財源を、現役世代が自分たちで積み立ていく仕組み
  • 日本の公的年金制度は、老齢年金の場合には年金を120カ月(10年間)収めると老後に年金を受け取ることが可能
  • 公的年金は、国民年金と厚生年金の2つに分類できる
  • 公的年金制度で受給ができる年金には、老齢年金、障害年金、遺族年金の3種類がある
  • ねんきん定期便とは、年金制度に加入している全ての人に届く通知書で、日本年金機構が管轄しており、毎年一度、誕生月に届く

年金についての基本的な知識や、種類、受給条件などを整理しました。

一言に年金と言っても、具体的にどんな時に受給できるのかや受給資格の仕組みについて知らなかった人も多いのではないでしょうか。20~30代が老齢年金を受け取る年代になった時には、今よりも年金額が少なくなる可能性が高いです。

現役世代から、年金の仕組みに関心を持ち、長い目で老後の資金計画を立てることをお勧めします。足りない分は副業や投資などで補っていくバイタリティが必要な時代がくるでしょう。