2019年に老後2000万問題が騒がれたのは記憶に新しいかと思います。少子高齢化社会が進む日本では、税金の負担額がより一層増えていくでしょう。2050年には1,2人の現役世代で1人の高齢者を支えることになると予測されています。
会社勤めでは給料もなかなか上がりにくく、将来の年金もあてにならない。20代、30代のお金の悩み第一も「老後のお金が心配」というものです。
そんな老後の備えにおすすめしたいのが、『iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)』です。
iDeCo(イデコ)は、自分が拠出した掛け金を、自分で運用し、資産を形成する年金制度です。掛け金を60歳になるまで拠出し、60歳以降に老齢給付金として受け取ることができます。
iDeCoの仕組みや加入条件、手数料、証券会社の選び方など、iDecoのアレコレをこの記事で説明しています。
iDeCoとよく比較されるNISAについてはこちらの記事をご覧ください。
A子(32歳):投資歴5年以上のOL(投資で年間100万円以上の利益が出てる)
B夫(27歳):投資歴1年未満でA子の職場の後輩(投資では月数百円しか利益が出てない)
iDecoの節税効果がすごい!月5000円から運用できる積立投資
自分で年金を増やすiDeCoという制度
自分は老後もゆとりある暮らしをしたいと思ってます。そのために、今はつみたてNISAをやっています!
素晴らしいわね。でも、老後資金を作るなら、選択肢はつみたてNISAだけじゃないわよ。つみたてNISAと同じくらいオススメしたい制度がiDeCo(イデコ)よ
iDeCoは個人型確定拠出年金っていうのが正式名称だけど、iDeCoで覚えておけばOKよ
iDeCoは結局、投資信託のつみたて投資
効率的に自分で老後資金を作れる仕組みがiDeCo。個人的には、老後資金をゼロから作りたい人なら、利用しないのは勿体無いってくらい、お得な制度だと思っているわ
まずは、iDeCoの仕組みについてだけど、簡単に言うと、
投資信託を使ったつみたて投資よ
あれ?自分がやってるつみたてNISAと同じってことですか?
うん。ほとんど同じ。iDeCoを簡単に説明すると、こんな流れね
iDeCoで老後資金を作る流れ
- ①iDeCoに加入し、運用する投資信託を選ぶ
- ②月1回、同じ金額で投資信託を買って積み立て投資する(年1回のプランなどもあり)
- ③積み立ては60歳まで続く。例えば25歳から加入すると、35年続けることになる
- ④積み立てが終了したら売却して利益を得る(売却期間は60歳以降で自分で決められる)
確かに。自分がつみたてNISAでやってる、ドルコスト平均法を使った積立投資とほとんど同じですね
うん。iDeCoも結局は、投資信託の積立投資なの。だけど、それを国がいろんな面で支援してくれているわね
iDeCoでつみたて投資をするメリットは次のようなものがあるわ
iDeCoのメリット
- ①投資信託の購入手数料がかからない
- ②運用益が非課税
- ③税金が安くなる(掛金が全額所得控除)
①と②はつみたてNISAと同じですね?③の『税金が安くなる』というのがが気になりました
この節税効果はつみたてNISAにはない、iDeCoだけの大きなメリットよ
iDeCoの節税効果って具体的にどんなこと?
iDeCoでつみたてた金額(投資信託を買った金額)は全額所得控除になる。これがiDeCoの大きなメリットよ。例えば、B夫くんが毎月23,000円をiDeCoで積み立てるとするじゃない?ということは、年間で276,000円積み立てることになる
そうですね。276,000円分、何かの投資信託を買っているというですよね
iDeCoの加入者はこの276,000円分が全て所得控除になる。これがiDeCoの節税効果の仕組みよ
むむむ。その所得控除というのがよくわからないです…。
所得控除ってどういうこと?
税金は、この500万にかかっているわけじゃなくて、500万から様々な控除を引いたものである『所得』にかかるの
だから、同じ収入でも課税所得が小さければ税金は安くなる
つまり、この所得を小さくすることが『節税』ってことですか?
その通りよ。『所得控除』を受けると所得が小さくなるわ。iDeCoで積み立てた額は、全額所得控除になるから、さっきの例で言うと、276,000円分、所得を小さくできるの
なるほど。276,000円分税金が安くなるんじゃなくて、276,000円分、所得控除されるんですね。私の場合、いくらくらい税金が安くなりますか?
節税できる金額は、年収や職業、iDeCoにどれだけお金を運用するかによって変わるわ
もしB夫くんが月23,000円をiDeCoで運用するなら、年間で55,200円の節税になるわ。毎年55,200円、税金が安くなるってことね。iDeCoは60歳まで続ける制度だから、60歳までの33年間で約1,821,600円節税できることになるの
ただiDeCoで積み立て投資をしているだけなのに、毎年5万5,000円の税金が安くなるって、すごくお得だと思わない?5万5,000円税金が安くなるということは、5万5,000円貰えることと同じことよ
確かに、税金が5万5,000万円安くなるってことは、手取り収入が5万5,000万円増えるのと同じことですよね。めちゃくちゃお得な気がしてきました!
所得がない人は注意
ここで1つ考えて欲しいのが、iDeCoの節税効果は所得控除ってところよ。つまり、そもそもの所得がなければ控除の意味がないってこと
無職や主婦の人とか、所得がない人には節税効果がないってことですか
そうなの。『主婦だから、夫の所得を控除してもらう』ってこともできない。iDeCoはあくまで『自分で自分の老後資金を作ろう』って制度だからね。ここは覚えておいて欲しいポイントよ
iDeCoの仕組みと流れを知ろう!自分の加入条件を把握しよう
iDeCoで老後資金を作る仕組みをおさらいしておくね
iDeCoで老後資金を作る仕組み
- ①iDeCoの掛け金を決める(※掛け金のことは拠出金と言う)
- ②拠出金で購入する投資信託を決める
- ③毎月積み立てていく
- ④60歳までつみたてを続ける。60歳になるとお金を一括で受け取るか分割で受け取るかを決められる
だけど、普通の投資信託の積み立て投資と違うところが4つあるわ
通常の積み立て投資とiDeCoの違い
- ①iDeCoは60歳になるまで現金化できない
- ②掛け金が全額所得控除になる
- ③運用益が非課税
- ④購入時手数料が無料
iDeCoの積み立て投資は60歳まで現金化できないんですね
そうなの。通常のつみたて投資なら、いつでもお金が必要になったら解約して現金に戻すことができるけど、iDeCoは原則、60歳になるまで受け取りができない。これはつみたてNISAでやるような通常のつみたて投資との一番大きな違いよ。iDeCoはとても魅力的な制度だけど、60歳まで資金拘束されるってことだけはデメリットと感じる人も多いわ
iDeCoは老後資金を作る目的で作られた制度よ。60歳までの長期投資を目的としているから、この点は仕方ないと言えるわ。iDeCoの資金拘束が嫌な人は、つみたてNISAでの積み立て投資をした方がいいわね
iDeCoとつみたてNISA、両方やることもできますよね?
もちろん。私はつみたてNISAとiDeCo両方やっているわよ。そうすることで、お互いのいいとこ取りができるからね。つみたてNISAとiDeCoの併用については、改めてあとで解説するわね
iDeCoに加入できる条件
iDeCoに加入できる人の条件は、日本在住の20歳〜60歳の人。まだ年金をもらっていない、成人済みの人ってことだね。あとは、国民年金を払っていない人は加入できない。国民年金未払いの人はまず国民年金を払ってからiDeCoに加入してね。ちなみに、過去に未払いの時期があったとしても今ちゃんと払っているなら問題ないから安心してね
iDeCoの加入資格
- 日本在住の20歳〜60歳の人
- 基礎年金を払っている人(過去未払いでも現在払っていたらOK)掛け金の上限は職業によって違う
iDeCoでは、毎月投資信託を買っていくお金のことを『掛け金』や『拠出金』と呼ぶ。掛け金は月5000円以上から自分で設定できるから、iDeCoの第一歩目は自分の拠出する掛け金の金額を知ることからよ
iDeCoでは、掛け金が全額所得控除になるってことは、資金に余裕があるならたくさん拠出した方がいいですね?いっぱい節税できますよね!
そう思うかもしれないけど、拠出金額は職業や企業によって上限金額が決まっているの。例えば、主婦なら上限23,000円、自営業なら上限6万8000円って感じでね
『企業型』と『個人型』あなたが加入できる制度はどっち?
iDeCoには企業型と個人型の2種類があって、大まかに言うと掛け金を誰が負担するかで変わってくるわ。企業型の掛け金は、基本的に会社が負担して給料から天引きされるケースが多いわ。もし勤め先の会社がiDeCoを導入していれば社員は原則的に加入してるはずよ。
自分の会社は加入していないので、個人型が該当します。
個人型は任意で加入して、自分で掛け金を負担しなくちゃいけない。2016年まではフリーランスのような企業年金がない人が加入できなかったけど、2017年以降は会社員、主婦、公務員も加入できるようになったわ。
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企業型 |
個人型 |
拠出者 |
会社 |
加入者本人 |
加入条件 |
制度を導入している会社の60歳未満の従業員 |
60歳未満の加入者希望 |
納付方法 |
会社が一括で支払う |
口座振替 |
運用者 |
本人 |
本人 |
運用商品 |
会社が利用する金融機関が扱う商品の中から |
金融機関を自分で選ぶので、好きな商品が買える |
拠出金額上限
職業 |
掛け金の上限額 |
自営業 |
月6万8,000円(年81万6,000円) |
会社員(企業年金がない会社) |
月2万3,000円(年27万6,000円) |
会社員(会社が企業型確定拠出年金のみ加入してる) |
月2万円(年24万円) |
会社員(会社が確定給付企業年金のみに加入してる。またはかくてし給付企業年金と企業型確定拠出年金の両方に加入してる) |
月1万2,000円(年14万4,000円) |
公務員 |
月1万2,000円(年14万4,000円) |
専業主婦(夫) |
月2万3,000円(年27万6,000円) |
※2020年4月現在の情報(掛け金は今後変更されることもあります)
自分は企業年金のない会社に勤めているので、23,000円が上限ですね。月額5,000円〜23,000円の間で自分の好きな金額を設定できるんですよね?
そうよ。iDeCoは60歳まで引き出すことができないから、生活費がいっぱいいっぱいを設定するのはやめて、無理なく続けられる金額を設定してね
たくさん拠出すればそれだけ所得控除の額は大きくなりますけど、60歳まで解約できないと思ったら、無理は禁物ですね。掛け金は途中で変更できるんですか?
年一回にできるよ。あとはボーナスで一括して払うこともできるのよ。つまり、月2万3,000円じゃなくて、ボーナスで一括で276,000円を払うってことね
でも、年一回で支払っちゃうとドルコスト平均法の効果が薄れる。ドルコスト平均法がわかっている人は、毎月一定額購入していくことで平均取得価格を平均化できるということが理解できているよね。私は、毎月拠出していくことをオススメするわ
運用する投資信託を選ぼう
拠出する金額が決まったら、次は、そのお金を運用する投資信託を選ぶわよ。iDeCoで購入できる投資信託は、各証券会社が30個程度用意しているから、その中から選びましょう。ちなみに、証券会社ごとに取り扱っている商品が少しずつ違うわ
つみたてNISAみたいに、選べる商品が決まっているですね
つみたてNISAでは『株式を含んだ投資信託』しか選べなかったけど、iDeCoは株式だけじゃなくて、債券やREIT、コモディティなど他の種類の投資信託も買えるわ
いろんな種類の投資信託が選べるのは嬉しいですね。証券会社ごとにラインナップが違うのかあ。証券会社を選ぶ前にその会社が扱っている商品のラインナップを調べないとダメですよね?
でも、ネット証券なら取り扱っている商品にそんなに大きな違いはないから、そこまで気にしなくてもいいかも。それよりiDeCoをやる証券会社を選ぶ基準は手数料の安さがポイントよ
iDeCoも投資だからね。投資で勝つには手数料や税金をなるべく少なくするべきだよね。あと、iDeCoで運用する投資商品は、実は投資信託だけじゃないの。元本割れのリスクのない定期預金などの金融商品もあるわ
そう。元本確保型商品と言って、定期預金と同じで元本が割れる危険がない商品よ。もちろん、定期預金だから利息もつく
でも、定期預金の利息って、めちゃくちゃ少ないですよね?
そうね。だから、元本確保型の商品は、『お金が増えなくてもいいから投資なんてしたくない!』って人が選ぶ商品ね。他にも債券型の投資信託もあるし、iDeCoはなるべくローリスクで運用したい人にも優しい制度になってるわ。元本確保型でも拠出した金額は全額控除になるし、節税効果はあるから、ぜひ投資が怖いって人にも参加して欲しいわ
投資をしたくない人でもiDeCoに参加できるからいいですね
積み立ては60歳まで続ける
積み立てする金額と、運用する商品が決まったら、毎月積み立てていくだけよ。積み立ては60歳で終了するから、それまでずっと毎月淡々と積み立ててね
自分は今27歳だから、60歳まで33年間積み立てるんですね。でも、なんで60歳までなんでしょう
iDeCoは自分で年金を作る制度だからね。60歳からは高齢に入ると考えて、積み立ては終わる。そして、ここまで運用してきたお金をもらうことができるわ。ただし、60歳でお金を受け取ることができるのは10年以上積み立ててきた人だけ。8年以上10年未満の人は61歳から、6年以上8年未満の人は62歳から…というように、積み立て期間が10年未満の場合は、後ろにズラされることになるわ
iDeCoで積み立てたお金を受け取る年齢
受け取れる年齢 |
積立ててきた期間 |
60歳以降 |
10年以上 |
61歳以降 |
8年以上10年未満 |
62歳以降 |
6年以上8年未満 |
63歳以降 |
4年以上6年未満 |
64歳以降 |
2年以上4年未満 |
65歳以降 |
1ヶ月以上2年未満 |
iDeCoへの加入は60歳までできるけど、60歳でお金を受け取ろうと思ったら10年の積み立てが必要だから、50歳までにはじめないといけないですね
iDeCoは何歳からはじめても60歳までしか積み立てはできないし、60歳の1ヶ月前までしか加入はできない。積み立ててきた期間に応じて、受け取り開始年齢は変わってくるから注意してね
60歳以降に受け取る
iDeCoは、60歳以降に受け取れるようになるけど、必ず60歳に受け取らなきゃいけないわけじゃないわよ。60〜70歳までの間で自分の好きなタイミングを指定して受け取ればOK。運用が順調なら、70歳まで受け取らずに値上がりするのを待っていてもいいわ。ただし、60歳以降は積み立てはできないから、これまで買ってきた投資信託を運用するだけの時間になるわよ
60歳になった時に、お金に余裕があって、投資信託の基準価額が上がっているなら、運用を続けた方がいいですね
そうね。ちなみに、受け取り方は以下の3パターンから選べるわ
- ①一括で受け取る
- ②年金として分割で受け取る
- ③一部を一気に貰って、残りを年金として分割で受け取る
それぞれに税金のかかり方が違うから、受け取り間際になったら調べてみて自分に一番いい方法を考えてみてね
今後、加入年齢は引き上げられる見通し
この記事を公開した2020年4月現在では、60歳の1ヶ月前までしかiDeCoに新規加入できないことになっているけど、今後、この年齢は引き上げる方針と政府が発表しているわ
iDeCoは国民が自分で老後資金を作る大事な制度だから、これからも改正されていくと思うわ。報道に注意して、最新情報を取り入れるようにしてね
iDeCoでいくら老後資金を作れるのか
ネット上には、iDeCoでどれくらい老後資金を作れるかのシミュレーターがあるから、これを使って、将来受け取る金額と節税効果をシミュレーションしてみましょう。今回は楽天証券の
iDeCoシミュレーションにアクセスしてみねて
- 27歳
- 年収500万円
- 企業年金なしの会社に勤めている
- 掛け金は月額23,000円
- 運用利回り5%
この条件でシミュレーションしてみたらこんな結果になりました
- 年間の節税額:約55,200円
- 60歳で受け取れる金額:約2,310万円
すごい!これだけあったら、立派な老後資金になりますね
そうね。老後2,000万円が必要と言われているけど、若いうちから積み立てればこれだけ効果があることがわかったわね。
iDeCoの手数料と加入申し込みの際の注意点
iDeCoは手数料に気をつけよう!
ここまで口を酸っぱくして言ってきたけど、投資では手数料を安く抑えることがとても大事。iDeCoも結局は投資信託を使った資産運用なわけだから、絶対に手数料を安く抑える必要があるの
たった1%の手数料の差が、運用成績に大きな差をつけるって言ってましたね
そうよ。だからiDeCoでも、手数料には注目してね
iDeCoにかかる手数料と税金
iDeCoで資産運用する時にかかる手数料や税金は、大きく分けて3種類ある。投資信託の信託報酬と、iDeCoそのものにかかる手数料、それから税金ね
iDeCoでかかる手数料は大きく分けて3種類
- 投資信託の信託報酬(自分が買う投資信託によって変わる)
- iDeCoの仕組みに支払う手数料(参加するだけでかかる手数料)
- iDeCoの掛け金にかかる税金
iDeCoの手数料1:投資信託の信託報酬
信託報酬は、通常の投資信託の投資でもかかる手数料ですよね?
そうね。投資信託の運用にかかる手数料のこと。選ぶ投資信託によって信託報酬は大きく変わるから、なるべく信託報酬の安い投資信託を選ぶのが大事ね。
インデックスファンドは信託報酬が安いから、インデックスファンドを買うことをオススメしたけど、それはiDeCoでも同じ。iDeCoでも、手数料の安いインデックスファンドを買うことをオススメするわ
iDeCoの手数料2:iDeCoの仕組みに払う手数料
次は、『iDeCoの仕組みに支払う手数料』よ。iDeCoに参加すると支払う手数料ね。この手数料を支払うタイミングは大きく分けて3回あるわ
- ①加入時
- ②運用時
- ③受け取り時
この3つのタイミングよ。そして、①加入時と②運用時の手数料はiDeCoを申し込む金融機関によって変わってくる
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どの金融機関でも必ずかかるお金 |
金融期間によって変わる手数料 |
加入時(1回のみ) |
2,777円 |
0~1,000円程度
(さらに投資信託の信託料がかかる) |
運用中(毎月払い) |
164円
(運用指図者になると月額の手数料が64円) |
0~600円程度
(さらに投資信託の信託料がかかる) |
受取時(1回ごと) |
432円 |
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金融機関によって変わる手数料があるんですね。金融機関っていうのは、自分が申し込む証券会社や銀行のことですか?
- ①国民年金基金連合会
- ②信託銀行
- ③金融機関(自分で選ぶ)
①と②はどの金融機関に申し込んでも同じ金額がかかるわ。でも、③の金融機関は自分で選ぶから、できるだけ手数料が安い金融機関でiDeCoを申し込むべきよ。特に、元本確保型商品(定期預金など)でiDeCoを運用しようと思っている人は、手数料に注意してね
なぜなら、定期預金では利息が低いから、特に最初の方は手数料が利益より大きくなることがよくあるの。手数料は毎月最低164円の手数料がかかることを知った上で、個人的には、それを上回る利回りのある投資商品を選ぶ方がいいと思うわ
iDeCoの手数料3:掛け金にかかる税金
確定拠出年金には、『特別法人税』がかかることになってるわ。『法人税』って名前だけど、個人型の拠出年金iDeCoにも課税される。積立金額全額に対して年率1.173%を課税されるの
]え?iDeCoは利益が非課税なのに、積立金額に税金がかかるんですか?積立金額全体ってことは、年数が経てば経つほど税負担が多くなるってことですか!?
そうなの…。でも、この特別法人税は今のところ凍結されていて、払わなくていいことになっている。現在は凍結されているだけだから、いつ凍結が解除されて、復活するかわからない。金融機関は、凍結ではなく特別法人税の廃止を求めているわ
運用指図者とは?
そういえば、さっきの表で『運用指図者になると月額の手数料が64円』ってなってましたけど、この運用指図者って何ですか?
運用指図者は、『積み立てはせずに、これまで買ってきた投資信託を運用だけする人』のことよ。iDeCoの新規積み立ては60歳で終わるけど、70歳までは運用できるって話をしたよね?このとき、『運用指図者』になるよ。新規積み立てはしないけど、手持ちの投資信託は運用している状態ね
新規積み立てをしない場合は、月の手数料が安くなるんですね。もし、急に仕事が無くなったりして、iDeCoに積み立てができなくなったら運用指図者になることもできるんですか?
なんらかの事情で拠出できなくなった場合は、運営管理機関に連絡して、運用指図者になることができるわ
月額の手数料が164円の証券会社ではじめよう
iDeCoの月額手数料は証券会社の取り分が0円の場合、164円になるから、手数料がこの値段の証券会社でiDeCoをはじめるのがいいわよ
有名なネット証券会社は0円にしているところが多いですね
iDeCo月額手数料が0円の証券会社の例(2020年4月時点)
掛け金は給与から天引きして払うこともできる
iDeCoに申し込む時は、申込書を書くんだけど、これは勤め先の会社にも一筆書いてもらう必要があるわ
iDeCoは職種や企業年金の有無によって掛け金が変わってくるって話はしたよね。だから、あなたの職種の証明を会社にしてもらう必要があるの
あなたのお金で掛け金を払うんだから、会社は関係ないよ。少し記入して貰うだけだから、特に手間もかからないしね。あと、iDeCoの掛け金は、会社が対応していたら給与から天引きして貰うこともできる
天引きが可能かどうかは会社に聞いてみて。会社の給与から引き落とすようにしていたら、年末調整で所得控除の申告を自分でしなくていいから楽よ。ちなみに、会社が天引きに対応していたとしても、自分の口座から毎月引き落としてもらう方法を選ぶことも可能よ
iDeCoの引き落としは毎月26日
iDeCoの掛け金の引き落とし日は、毎月26日に決まっている。自分の口座から引き落とす人は、前日までに口座にお金を入れることを忘れないでね
iDeCoとつみたてNISAの比較と併用する場合は
iDeCoとつみたてNISA両方やるという選択肢
改めて確認しますが、iDeCoとつみたてNISAって両方できますよね?
iDeCoとNISAは投資の利益が非課税ってところなど似ているところがあるから、どちらか1つしか加入できないと思っている人もいるみたいだけど、同時に加入できる制度よ。同時に加入できないのは『NISA』と『つみたてNISA』ね。これはどちらか1つしか加入できないわ
- 同時加入できないのはNISAとつみたてNISA
- iDeCoとNISA(もしくはつみたてNISA)は併用できる
つみたてNISAとiDeCoを比べた時に、一番気をつけるべきところは、iDeCoには資金拘束があるってことね。何度も言ってきたけど、iDeCoは60歳までお金を受け取ることができない。対してつみたてNISAなら、もしお金が必要になったら解約して現金にすることができるから、もしもの時に対応できる安心感があるのはつみたてNISAね
でも、iDeCoの所得控除は魅力的ですね。NISAやつみたてNISAには所得控除の効果はないですし
だから、それぞれのメリットをちゃんと把握して、自分にあった方法で使用することをオススメするわ
iDeCoとつみたてNISAのメリットの違い
- 資金拘束がない➡つみたてNISA
- 所得控除になる➡iDeCo
つみたてNISAとiDeCoに共通するメリット
iDeCoとつみたてNISAを併用する時の考え方
iDeCoの資金拘束に不安を覚える人には、投資に回せるお金のうちで、もしもの時に現金化したい金額をつみたてNISAに、それ以外の『なかったことにできる』金額をiDeCoでつみたてるのがオススメよ
iDeCoに拠出するのは、なかったとしてもいいと考えられる金額にすればいいってことですね
あとは、買う商品でつみたてNISAとiDeCoを使い分ける人もいるでしょうね。つみたてNISAでは株の投資信託か株を含む投資信託しか取り扱いされてないから、不動産や債券などをメインにした投資信託やりたい人はiDeCoがいいわね
そう。投資商品だけじゃなくて、元本確保型の定期預金があるのはiDeCoの特徴ね。投資が怖いけど、所得控除がしたいって人はこれを選ぶといいわ
自分は、REITや債券の投資信託にも興味があるから、株の投資信託はつみたてNISAで買って、REITや債券はiDeCoで買おうと思いました
iDeCoの所得控除を利回りとして考えると大きい
iDeCoは60歳までお金を受け取ることができないという資金拘束をネックに思う人も多いけど、個人的にiDeCoを活用して欲しいと思ってるわ。その理由はやっぱり、所得控除のメリットが大きいから
例えば、年間55,000円税金が安くなるってことは、年間55,000円儲けたのと同じって考えてみて。それって大きなことよね。もし、55,000円の利益を投資で出そうと思ったら、110万円を5%運用しなきゃいけない
5%の運用で55,000円の利益を出すためには110万円もの元本が必要なんですね…。
110万円もの元本を貯めるって、かなり大変なことだよね。iDeCoでの所得控除を利回りと考えたら、めちゃくちゃ割のいい投資をしているって考えられるはずよ。『資金拘束が嫌だからiDeCoはやめておこう』と安易に考えるんじゃなくて、とても魅力的な制度だから前向きに検討して欲しいって思ってるよ
口座開設手数料と口座管表
iDeCoがかなり前向きに考えられました!拠出できる範囲でつみたてNISAと併用してみます。どの証券口座がおすすめですか?
いろいろ種類があるから手数料を考慮するとSBI証券と楽天証券がおすすめかしら
証券会社 |
口座開設手数料
(加入時に一度かかる手数料) |
口座管理料
(1年間にかかる費用の合計) |
国民年金基金連合会 |
運営管理機関 |
合計 |
国民年金基金連合会 |
事務委託先金融機関 |
運営管理機関 |
合計 |
SBI証券 |
2,777円 |
0円 |
2,777円 |
1,236円 |
728円 |
0円 |
2,004円 |
松井証券 |
0円 |
2,777円 |
0円 |
2,004円 |
楽天証券
(資産座高20万円以上) |
0円 |
2,777円 |
0円 |
2,004円 |
楽天証券
(資産座高20万円未満) |
0円 |
2,777円 |
2,721円 |
4,725円 |
わかりました!手数料も手軽ですね。これならつみたてNISA同様、手軽に始められそうです
まとめ
iDeCoの利用を積極的に考えてほしいのは、次のような方です。
- 所得税・住民税を支払っている方
- 自営業の方または勤務先に企業型確定拠出年金がない方
- 毎月コンスタントに余裕資金が生まれる方
- 一般に販売されている投資信託を継続的に購入している方
この4つ全てを満たす方は、今すぐにでもiDeCoに加入するべきです。この記事を作成した私も20代ですが、より多くの方にiDeCoを始めるキッカケになれば嬉しいです。