こんにちは。
今回は転職シリーズの福利厚生をテーマにお話をしていきたいと思っています。就職活動をしたことがある方は会社選びの際に福利厚生が充実しているか、していないかで決めた方も少なくは無いのでしょうか。
ある会社が内定者300名に対して行ったアンケート調査の結果では「福利厚生で会社を選ぶ」という回答が「給与」に次いで2位という結果にもなっています。
これから転職を考えていると言う方にとって、何を軸に転職活動をしていくかは人それぞれだと思います。
ですが「なんとなく福利厚生が良い会社だから~」という理由で、会社を選ぶ方が多いことも普段転職エージェントとして活動している中で感じています。
福利厚生とは
そもそも福利厚生ってなに?
さて、福利厚生とはどういったものなのでしょうか。
基本的には「企業が従業員に対して通常の賃金・給与にプラスして支給する非金銭報酬である」と決められています。言い方が難しいですね。
つまり、”会社から貰うことができるお金以外の報酬”ということです。
そして企業の従業員だけではなく、その配偶者や家族も対象になることがあります。最近では自社オリジナルの福利厚生だけではなく、健康保険組合の福利厚生や、ベネフィット・ステーションやリロクラブといった福利厚生アウトソーシングサービスなどを取り入れている企業も多いようです。
福利厚生は社員に対する愛情表現?
給与だけを上げているだけじゃ社員は喜ばないのか。
近年なぜ企業は福利厚生を積極的に取り入れているのでしょうか。
それはズバリ「会社はあなたのことを大事にしますよ」という愛情表現をアピールするためです。「収入」としての福利厚生であれば給料を上げれば良いですし、わざわざ面倒な福利厚生制度を作る必要はないように思われます。
しかし愛情はあることも重要ですが、それ以上に伝わらなければ意味がありません。企業が従業員に対して分かりやすく愛情を伝える手段とも言えるでしょう。
結論、福利厚生が整っている、充実している企業は社員に対する愛情表現が上手く、制度や取り組みとして社員に伝えることが出来る会社と言えるでしょう。
分かりやすく愛情を伝える手段
福利厚生が従業員に対するあ「愛情表現」ということをお伝えしてきましたが、近年さまざまな取り組みが、従業員へ愛情を伝えるという視点から行われています。
転職エージェントとして様々な企業の福利厚生を見てきましたが、具体的にどのような取り組みが近年のトレンドなのかジャンル別に紹介いたします。
働き方
1.ライフイベント(結婚、出産、子育て、介護等)に合わせた働き方の調整
産前産後、育児休暇、介護休暇など最近は取得を助長する動きも増えてきております。
2.リモートワーク、副業、コアフレックスといった働き方の導入
最近は社外で多くの学びを得て会社に還元してくれれば良いなどの理由で副業OKの会社も増えてきております。
3.保育所のような子育て支援の仕組みを導入し、女性の働きやすさを向上
少子高齢化の影響もあり、労働人口も減ってきております。産後の女性復帰に力を入れる企業が増えてきております。
勤務時間
勤務地や勤務時間を社員の要望に合わせて柔軟に調整ができることも多いみたいですね。
キャリアパス
1.社員が希望する業務やポジションへのジョブローテーションを実現
一つの部署だけではなく、視野を広げ能力を高める為に自ら手をあげる社員を抜擢するような会社も増えてきています。
2.市場価値が上がるような能力を身に付けられるよう、キャリアパスを設計(早期でのマネジメント経験等)
これをやったら、昇格をさせてくださいというような分かりやすい目標を上司とたてることによって両者合意のもと、気持ちよく昇進ができることも多いです。
その他
社食やオフィスに食事や飲み物を常備し、社員に無償で提供している会社も増えてきておりますね。羨ましい限り。
総括
上記のような取り組みはがベンチャー企業や若い社員が多い小規模の会社の方が取り入れやすい傾向にあります。
それに対して、昔ながらの中小企業や大企業、年配層が多い会社にも手厚い福利厚生制度があるのですが、分かりにくかったり、昔の価値観に基づくものであったりして、新しい取り組みは導入されづらい傾向がまだあったりします。
「愛情表現」の手法
いかに社員に対する愛情を伝えるかという視点から、様々な見直しがすすめられています。
最近の企業の「愛情表現」の特徴として3つに集約いたしました。
1.こまめな昇給でモチベーションの維持
最近様々な会社で取り入れられている制度として、昇給額を減らし、昇給のペースをあげていくという施策となります。年に1回の昇級で一気に収入がアップ捨よりも、年に2回にこまめに昇級する方が社員のモチベーションはキープされるという結果があるそうです。1万円の昇級の喜びも10万円の昇級の喜びもさほど変わらないということが分かっております。
昇給額が少なくても昇給の回数が多い方が社員のモチベーションが維持されるということです。昇給の回数が多いということは、社員が評価される機会が多いということなので、自らの取り組みに対しての承認欲求も満たされるということです。
2.結果目標よりもをプロセス目標を重視する
社会は結果だ、と良く言われて来ました。まさに会社で求められることは結果(成果)です。しかし、常に結果を残せ、結果を残せということを言われ続けて果たしてそれを言われている社員は結果を出せるのでしょうか。
上司と部下のコミュニケーションも結果だけの目標をたてる場合には、振り返りのミーティングの際には上司は部下が「結果を出すために何に取り組んだのか」ということに対してのフィードバックがしづらくなります。部下もプロセスに対してどのようにやったのかを振り返ることが出来なくなるため、たとえ結果を出したとしてもまた同じように成功ができるかと言われたら再現性がなく難しいでしょう。
最近は「行動目標」をたてることを取り入れている会社が多くなって来ました。先に話した自らがどのようにして成果を出したか振り返ることが出来るので非常に良い循環が生まれます。
そうすることによって、最終的には上司と部下の関係も良くなります。お互いがこれをやったら成果を出せるという目標をたてることによって、理不尽なことを言われることもなくなりお互いが気持ちよく仕事を出来るようになります。
3.分かりやすい福利厚生制度
わかりやすさを重視した福利厚生です。社員の健康を第一に考え、社員の食事を無償で提供したり、小さなお子さんがいる方に対して子連れでの出勤を認めたり、ある一定の勤務年数を満たせば年次ごとに長期の休暇を与える制度など。つまりは会社からの社員に対する感謝の気持ちや思いやりを分かりやすい形として提供しています。
こういった施策は、給与をただ上げるだけでは社員に対しての愛情が伝わりにくい良い例なのではないでしょうか。なぜならこういった施策に関しては口コミで社外に大きく広まることが多々あります。転職市場においても、職務内容や給与面などがほとんど同等の企業で悩んでいる際の最終的な決め手になったりもします。
会社は社員に対しての愛情を伝えるために様々な工夫をしています。なせこのような福利厚生が導入されたのかという背景を知ることが大事です。暖かいエピソードが裏にはきっとあるはすです。
愛情表現が上手な会社はどうやって探すの?
1.会社社員の従業員が労働環境や給与について書き込みをしているような企業の評価サイトを参考にする。
実際にその会社で働いている社員の方が書き込みをしているので、リアルな職場環境などがわかるツールです。しかしお伝えしたいのはすべての情報を鵜呑みにせずに参考程度に見てください。
書き込みをしている方は転職を考えている方やすでに退職をされた方が多いのも事実です。
なのでネガティブなコメントが多かったりもします。そういったコメントが複数人から上がっている場合は信憑性が高いと言えるでしょう。
会社によっては非常にポジティブなコメントが多い会社もあり、退職した方がその会社に対しての感謝を表していたりもします。
2. 採用情報以外にも企業が発信している情報をキャッチする
社員への愛情表現が上手い会社は会社の制度を整えるだけではなく、それを外に発信していくことをしています。目先の採用だけではなく、会社のことを世間に知ってもらうことの重要性を認識しています。また、自社での面白みのある取り組みや制度についてを企業サイトやブログなどで発信している会社は、自社での取り組みに対してある程度自信を持っているとも言えるでしょう。
採用を目的に自社の活動をアピールしている企業もありますが、その場合は「採用サイト」のみに掲載しているケースが多いです。
自社の取り組みを外に発信している会社は、自信を持っていると言えるでしょう。ぜひそういった見方に関しても参考にして見てください。
まとめ
- 福利厚生は企業が従業員に対して通常の賃金・給与にプラスして支給する非金銭報酬のこと
- 福利厚生が整っている、充実している企業は社員に対する愛情表現が上手く、制度や取り組みとして社員に伝えることが出来る会社とも言える
- 具体的に各企業がどんな福利厚生かを調べるには、「カイシャの評判」が参考になる
最初にもお話しましたが会社選びにおいて、福利厚生で会社を選ぶ方という方は非常に増えてきたかと思います。今や会社の数は数百万社にものぼる時代になったので、福利厚生で会社選びもするのも一つの判断軸だと思います。その際に情報収集に関しては幅広く集めることをおすすめします。
求人サイトや求人票の福利厚生の欄だけを見て判断するのは非常にもったいないことです。
転職を考えている方にも、全く考えていない方にも一度「福利厚生」について考えるきっかけになっていたら幸いです!
では、またお楽しみに!